体の奥から湧き出るを歌おう
KOCの詩スレにて紡いだ唄たち

64040: 愛を待つ夕暮れ:よしの よしの 2009/03/30 15:11:51 

涙にはハンカチと慰めを
笑顔には抱擁と喜びを
君が愛を求める日には
温かいシチューとキスで迎えるよ
帰る家を見失ってしまわぬように

喜びも悲しみも
全てを内包する君の温度が
私に守れる唯一のものならば

空を眺めれば雲が流れるよ
桃色に染まる天涯

そろそろ足音が聞こえる時間
することを全部済ませて
抱きしめる為の両手を空けよう


63941: 1.5cm:よしの よしの 2009/03/24 11:28:44 

三角形と四角形
手の上にあれば紙切れだけど
空から降らせば雪となる

長い爪が羨ましくて
マニキュア塗って頑張れど
私の爪は1cm

縮まらない距離
手を繋いで引き寄せた
ほら 君の鼻先まであと何cm?


62753: 雪上の足跡は消えてしまう:よしの 2009/02/03 11:22:30 

真っ白に塗れた世界で 窓を開いた
吹き込む冷たい空気に 呼吸を忘れる
ひとりになった部屋は 何故だか寒く
点々と続く足跡を ただ眺め続けた

ねえ 元気出してよ
ねえ 笑ってみせて
今は色のない世界でも
春が来たなら戻るから

ねえ うつむかずに
ねえ 泣きやんでよ
いずれ小川と鳥の囀り
戻らぬものではないんだよ

足跡さえ埋もれて行く
また白く塗られて行く
もう何も見えないから
窓を閉じて

涙の跡はいずれ消えるさ
笑って、笑って、笑おう。


59766: 傘の柄を軽く握って:よしの よしの 2008/07/26 11:37:59 

風のない 月の夜に散歩
揺れるのは 歩く君のスカート
雨の日 ずきずき痛む心臓
飾らない 笑顔に惑うココロ

だきしめて
きすをして

ぎゅってして
かみをなでて
わらいあって

ああ いますぐ あいたいな

月の道をまっすぐに行くから
雑踏に紛れてただ待っていて
雨が降っても濡らさぬように
ムーンライトに迷わぬように
君の好きな傘を差してゆくよ


59469: ツンデレ:よしの よしの 2008/06/25 15:30:18 

悲しくて 寂しくて
振り返っても誰もいない
泣きたくて 泣けなくて
立ち尽くす夜

お気に入り ひらひらスカート
両手でぎゅっと掴んで
泣きそうな目 見られないように
顔を伏せて笑い声

ときどき 自分を演るのが とっても面倒で
ぎりぎり 歯を剥き出して 笑ってみせた

寂しくて 愛おしくて
振り返れどもう誰もいない
泣きたくて 泣けなくて

ただ 立ち尽くす夜


59160: 阿呆の音頭で世界は狂う:よしの 2008/06/03 14:31:47 

きっとわかっちゃいたってことさ
きっとわかっちゃいなかったのさ

空が曇って雨がぱらつきゃ
君の眉根も寄ってくるのさ
楽しい事だけ続いていれば
次第にそれにも飽きてくるのさ
人生真っ当それが本望
悪事に手を染む甘美な蜜よ

きっとわかっちゃいたってことさ
全然わかっちゃいなかったのさ

涙止めんと差し出す手さえ
届かなければ恨みもするさ
ふいに浮かんだめろでぃらいん
鼻歌でだって世界は変わる

何にもわかっちゃいなかったのさ
だから明日も面白いのさ
ヨヨイ ヨイヨイ


59064: 罪のしずく:よしの よしの 2008/05/29 15:33:54 

ひとすじおちた 赤は告発の色
涙に溶けても薄まらない
瞼をきつく閉じたところで
赤は赤 消えることもない

冷え切ったこの指で守りたい
温かな鼓動をただ感じ
その手を繋いでいられれば
なにもかも どうなったって
笑っていられたというの


あなたの目に刻みつけた
この姿がどんなに不恰好でも
いつか滲んで消えてしまう
その日が来るまで焼き付いて

赤く赤く滲む残像
しずくに溶けてしまうまで


58914: たからもの:よしの よしの 2008/05/18 14:59:00 

ねえ 君に逢えて良かった

君の幸せの為なら何でも出来るって感じてる
そんな私が不思議で可笑しいんだ

宝物は何って訊かれたら
口では物を 心では君を浮かべてる

大切な 大切なひと
恋人と呼ぶ日は一生ないだろうけれど
それよりきっと深い繋がり

親友と呼び合える君がいることが
何より幸せで
何より素敵で
涙が出るくらい 嬉しいんだ


ねえ 君に逢えて 本当に良かった


58849: ぬくもり:よしの よしの 2008/05/14 13:05:10 

寒いと泣く子の手を取って
静かに微笑み歌いだす
はじめはちいさくときおりわらい
あとからおおきく とおく とおくへ

吐く息は白く手はかじかめど
二人手を繋ぎ さあ行かん
こころはこんなにあたたかいから
今はまだ遠い 愛しの我が家へ


58297: 涙と雪解け水:よしの よしの 2008/03/24 15:04:18 

溶けて混ざり合った

春は未だ遠く、そして近いのだろう。


58274: 花:よしの よしの 2008/03/17 12:55:17 

足元で咲く花に
今しがた気付いた
ずっと前から咲いていたらしい
小さく 青く 可愛らしく
凛と 咲いていた

余裕がなかったのかもしれない
毎日通る道なのに
改めて見るその道に
見覚えはなくて
初めての景色には
輝きが満ちていた

立ち止まれば

雲も
木々も
風の音も

軽快に歩く猫も
行く人の服の色も
駆け回る子ども達も


どうやら何も見えていなかった

足元の小さな花が
僕に魔法をかけるまで


58204: 真直ぐ歩けなくても生きること:よしの 2008/03/08 10:46:01 

叫ぶ
崖で
彼方に届くよう
叫ぶ

伸ばす
両手を
貴方に届くよう
伸ばす

触れそうで
触れられず
諦めかけて
諦めきれず
泣きながら
喚きながら
形振りなど
一切構わず


足掻くのは格好悪いことなんかじゃない
落ちたくないから一歩も踏み出さない事
口を一文字に閉じたまま諦める事こそが
生きる事を じわじわ ダメにするんだ


58193: つたえたいこと:よしの よしの 2008/03/07 19:22:54 

花模様のガラスコップ
私のお気に入り
あなたのお気に入り

温かい紅茶
私のお気に入り
温かい緑茶
あなたのお気に入り

黒い猫
私のお気に入り
斑の猫
あなたのお気に入り


目の前で薄く微笑むあなたは

私の一番のお気に入り。


口を尖らせ甘える私は

あなたの、なあに?


58053: からす:よしの よしの 2008/02/27 12:45:14 

ちぎってちぎって細かくした紙は
透けるようなとろけるようなブルー

窓を開けて 見上げた
青空がなんだか悔しくて
風に乗せるなんてこともせずに
おもいきり 一気に 投げた

遠く 遠くの木にとまる 一羽のからすが
一瞬だけ 青空に消えて見えなくなる
紙吹雪は一時の魔法をかけて さらわれた
残ったのは
悠々と毛繕いをする一羽の彼と
息も荒くただ立ち尽くす私だけ

涙が滲んだその紙はすぐに
降り出した雨と混ざったろうか


からすが木から飛び立った
青空を黒で切り裂いて
ただ一羽 堂々と


57879: 月と雪:よしの よしの 2008/02/17 01:47:01 

大きな大きな月が真上にあった
手を伸ばしたなら届きそうとはよくいったものだ

部屋の中から見上げるだけ
そんな状況に飽いて
窓を開け ベランダへ


ひゅう

掠れた口笛のような高い音に
伸ばし途中の髪が攫われる
頬に冷たさがはしると同時に
視界が白で覆われた

それはそれは大粒の雪
大きな月と相まって
幻想の中のよう

かじかみ震える指
霧を凝縮したような吐息
全てを忘れて

ただ、見入った


月と雪
それだけのことなのに

ああ
世界はこんなに美しい


56146: そらのいろ:よしの よしの 2007/10/18 00:42:27 

夕日があんまり綺麗だったから
カーテンを開けて呼んでみた
あなたはそっと外を見て
本当に綺麗だって言ったのよ
それだけなのに
忘れられない記憶になりそう

鮮やかなピンク
夢のような蒼
溶け合うオレンジ

そらのいろって不思議
あなたとの時間を
こんな風に記憶する


綺麗な夕日
フィルムに収めたよう
ついさっきの永遠


ときめきのピンク
怖がり屋の蒼
溶け合うオレンジ

そらのいろって不思議
あなたとの時間を
そのままに表して


42284: しろいつきのひかり:ヨシノ ヨシノ 2005/09/09 23:47:51 

貴方の吐息に抱かれ
貴方の夢を見て眠る

しろいつきのひかりがつつむよ
ちいさなちいさなはなをつつむよ

貴方を想い
貴方に歌い
貴方を謳い
貴方に託す

しろいつきのひかりがよぶよ
あいをささやきかけてくれるよ

ただつつんでくれるあいは
とてもとてもとうとくて
なみだがこぼれるよ
これからもずっといっしょなのだと
なぐさめてちからづけてくれるよ


41291: 夏の風に乗せて:ヨシノ ヨシノ 2005/07/28 22:50:07 

湿気を多く孕んだ
夜の風に吹かれて
影絵姿の貴方を想う

そちらは今、晴れていますか?
貴方の頭上では星が見えていますか?
それとも今は昼間でしょうか?

こちらは夏草がざわめいて
貴方を思い出せとせかします
そんなに囁かなくても
いつだって想っているというのに


貴方の後ろ姿が今でも目に焼きついて
離れません 離れません
笑顔だけではなく
面倒臭そうだったり
悲しそうだったり
そんな顔や仕草さえ
離れません

またどこかで逢えたなら
この風が貴方に届くなら

影絵ではない貴方と
空を見たい


40227: 想いの全て:ヨシノ ヨシノ 2005/07/02 22:46:45 

つきあかり


とおく いえの ひ



さらにとおく はやしの こい かげ




ねえ


あいたい




  あいたい。


39226: 瞳と瞳:ヨシノ ヨシノ 2005/06/16 21:30:50 

湿気を含んだ温かい風が耳元へ。
ふと、君の吐息を思い出す。

芋づる式にと言ったら色気が無い
自動リールと言っても色気は無い
結局思い出すと言う事なのだけれど

真っ赤なルージュ
蠱惑的な下唇
口元のほくろ
マスカラの睫毛と濃い目のアイライン
少し濃い化粧が妙に似合って

シーンは変わる。

化粧をすっかり落として
ふんわり柔らかい顔
性格だって変わったみたいな表情浮かべてる

どっちみち君は綺麗なんだな
にっこり。

優しい瞳は変わらずに
僕を見つめる
どちらの君も見逃したくない
僕は見つめる


38950: すぽんじ:ヨシノ ヨシノ 2005/06/08 22:29:33 

紫陽花の向こうで泣いていた
遠い日の約束に涙した

貴方の哀しみを
吸い取ってしまえればいいのに

身長を追い越した向日葵を
振り仰いでじわり 零れた

貴方の哀しみを
すっかり吸い取れるのならいい

いつも笑ってくれるけれど
楽しそうにしてくれるけれど
それでも不安げに
時に涙する
貴方の涙を私にたっぷり吸い込ませて

「ほら、まだまだ吸い込めるよ」

抱きしめてあげられたなら。


38694: くらいところ:ヨシノ ヨシノ 2005/05/31 22:08:01 

月灯かり ひとりみち
暗闇よりも昏い いっぽんみち

にゃあ、と呼ぶは 魔か
先導するか 煽動するか
にゃんこらしきもの
あとをついてゆく

きらり煌めく二つの瞳
まるで 其れだけが世界の全て

呼ぶものに釣られて
ふらふらり
ゆらゆらり

にゃあ

いつの間にか暗闇は終わりを告げ
仄かに温かい場所へ

「ただいま」


誰も居ないから食事でもどうだい
魔でも構わないさ わたしの先導者
漆黒の体を休めて
そしてまたいつか導いておくれ


38532: 君へ紡ぐ 【あ〜さ行編】:ヨシノ ヨシノ 2005/05/24 21:11:58 

愛に不安を抱えても
いずれ一緒になろうと決めた
疼く心に蓋をして
選んだ左手そっと触れ
大きな声では言わないけれど
重ねた日々は忘られぬ
君への想いは膨らむばかり
苦しい胸が抑え切れない

決意を決めよう
今宵 月の下
さぁ
静かに手を取って

好きだよ
「     。」
そっと紡いだ


37394: 沈んだ町を切り裂いて:ヨシノ ヨシノ 2005/04/16 14:49:59 

セピアに沈んだ街に似合いの上弦の月
闇が飲み込んだ少女のペダルは
負けずに勢いを増す

君の居る所まで
全力疾走
伊達に長年チャリ漕いでないよ?
何千キロでも越えてみせるさ
この町に色が戻る前に

月も隠れ セピアの街を過ぎ
しっとりした夜が少女を捕まえる
それでも小さなライトは道を切り裂く
小さな足に宿る力で

君の住む町まで
全力疾走
「だって逢いたいんだもん?」
こんなんでいいなら幾らでも言うよ
世界に光が戻る前に
漕げば光る 小さな魔法のライトで
君の居る所まで


37369: きっと見ていて:ヨシノ ヨシノ 2005/04/14 22:19:30 

ささやかだけれど
唄を歌うわ
あなたの背中に
届くと信じて

小さな声でも聴こえるように
きっと心に響けばいいな

足の裏に大地を感じて
その下の鼓動を聞いて
歌うよ

あなたに向けて
精一杯の
幸せな唄を紡ぐから
体中の全ての力を注いで
歌いきってみせるから
だから
きっと見ていて
きっと見ていて

心のどこかに響けばいいな


36417: 心の底で体育座り:ヨシノ ヨシノ 2005/03/17 21:49:31 

逢いたいなんて言ってあげない
恋しいなんて言ってあげない
誰よりも愛おしいだなんて

言ってあげない
言ってあげない

見つめて
焦らして
背を向けて
振り向いて
微笑んで

見つめるだけ

逢いたいなんて思ってあげない
恋しいなんて思ってあげない
誰よりも愛おしいだなんて

思ってあげない
思ってあげない

淋しくて
涙が出る
泣き顔は
見せずに
顔を上げたら
歯を見せる程
思い切り笑って

言ってあげない思ってあげない

だから


←椿屋へ戻る